2023年6月23日金曜日

法人向けLifebookの16インチノートPCが軽くて魅力的

 ただし高い

 法人向けノートPCなので当然価格は個人向けより高価です。最小構成で税込みで40万円以上します。

概要

 実物なんて買いようがないので、今回の記事の画像は全て富士通の製品ページから拝借します。ということで製品の画像をドン。


 LIFEBOOK U7613/Mです。1920x1200の16インチ大画面を備えた1.39kgのノートPCです。この大きさのノートPCは通常は2kgほどあってもおかしくありません。1.5kg未満はかなり軽量な部類に入ります。

スペック

CPUCore i5-1350P / Core i3-1315U
メモリDDR4-3200 4~64GB
ストレージPCIe NVMe 256GB~1TB
ディスプレイ1920x1200 アンチグレア、16インチ
Webカメラ約207万画素
キーボードキーピッチ18.4mm / キーストローク約1.7mm、
JIS配列準拠、108キー(テンキー付き)
端子類HDMI出力x1、有線LANx1、3.5mmステレオミニジャックx1、
Thunderbolt4x2、USB3.2 gen1 TypeAx3、microSDスロットx1
バッテリーリチウムイオン49Wh / 65Wh
重量1.39kg~1.50kg

 スペックに関しては至って標準的です。法人向けPCなのでWindowsはPro版が採用されていたり、SSDには標準暗号化機能付きのものが採用されています。その他オプションで指紋センサーや静脈センサー等を搭載することができますが、それらを省いても最小構成で税込み40万円を超えます。スペックだけなら海外メーカーだと10万円程度で同等以上のものが買えてしまうでしょう。
i5/16GB/1TBの構成だと78万円…

富士通の個人向けノートに16インチモデルはない

 2023年6月時点での富士通の個人向けノートPCには16インチモデルがありません。大型ノートでは15.6インチか17インチの16:9のモデルのみがラインナップされています。また法人向けノートにおいても、このU7613/Mは唯一の16インチモデルなので、富士通のノートPCのラインナップの中では唯一無二な存在になっています。

軽くて大きいノートPCはあまりない

 軽量な大型ノートは希少です。個人向け製品ではLG gramぐらいしかありません。その中で日本語配列で打ちやすい製品はほとんどありません。持ち運び可能なPCの中では最大級に広い作業画面をオールインワンで持ち運べるのは軽量大型ノートの魅力です。大型ノートは据置きノートとも呼ばれますが、本体とマウスさえ持ち運べば据置きノートと同じ環境をどこでも持ち運べて使えてしまうのです。

軽量な大型ノートの例

LG gram
16インチ1.19kgで圧倒的に軽い。スペックも良い
Lifebook TH90/F3
15.6インチ1.39kg。11世代インテルで既に型落ち
紹介記事を書いています
vaio F16
16インチ1.65kg。大きさの割には軽い方。日本語配列が良好

 Lifebook THはアウトレットでの取り扱いはあるものの現行ラインナップから外れており、実質LG gramかvaio F16が現在の個人向け製品の選択肢です。LG gramは圧倒的に軽量で解像度も高くスペックも良好ですが、日本語配列ではテンキーの左側のキーが縮小されていて、打ちやすくはありません。日本語配列としての打ちやすさであれば、vaio F16は良好ですが、やや重く性能も十分とはいえ控えめです。

 16インチノートで、日本語配列のキーボードでキーの大きさが揃っている、軽量なノートPCとして稀少な選択肢です。LG gramはより軽くて性能の優れた大画面ノートPCですが、日本語配列では一部キーが縮小されていてタイプしやすさが損なわれています。US配列ユーザーがUS配列を使う分には最もオススメなノートPCだと思います。重量を多少妥協しても良いなら、vaio F16も十分魅力的な選択肢でしょう。日本語配列はLifebookがキーピッチ18.4mmに対し、vaio F16はテンキーを幅狭にすることで主なキーピッチを19mmに実現しています。全体的に若干幅狭なLifebookと、テンキーのみ狭いvaio F16のどちらが打ちやすいかは甲乙がつかないでしょう。十分使いやすいノートPCだと思います。

個人向け製品として出して欲しい

 これにつきます。はい。
 ノートPCは持ち運ぶPCです。大きくても小さくても持ち運べるからこそ価値があります。大型ノートでも軽さは正義なのです。しかしながら、軽量な大型ノートは選択肢が多くありません。軽量さを推している大型ノートはLGぐらいしかなく、多少妥協すればvaio F16も選択肢に入りますが、ほぼそれだけです。Lifebook THは新規モデルが出ず型落ち状態になりました。日本語配列の難がない軽量大型ノートだと現状はvaio F16が唯一の選択肢でしょう。しかしながら法人ノートに目を向けると、富士通には16インチ1.39kgのノートPCがあるじゃないですか。しかも端子類も充実しています。ただし価格が高すぎる。これを価格を抑えて個人向け製品として出して欲しい。これが筆者の思いです。

2023年2月22日水曜日

LIFEBOOK WT1/F3

 富士通のノートPC、LIFEBOOKのTHシリーズである「WT1/F3」を購入したのでレビューします。

 以下は富士通の公式ページより

15.6型ワイド ノートパソコン(PC) LIFEBOOK THシリーズ(TH90/F3, WT1/F3) :特長 - FMWORLD.NET(個人) : 富士通パソコン


15.6インチで1.39kg

 この製品は量販店モデルでは「TH90/F3」であり、Web直販のカスタムモデルでは「WT1/F3」となります。富士通のTHシリーズは15.6インチの16:9の画面を備えつつも、カタログ重量1.39kgのかなり軽量なモデルです。15.6インチのノートPCは2kgを切っていれば軽量な方であり、14インチのモバイルノートであっても1.4kg程度の製品もあることを考えると、本製品は鞄に入れて外に持ち出すのに苦にならない重量に抑えているといえます。それでいて広い画面を備えているので、作業性の高さを失わずに持ち運びできるのが魅力です。

天板とキーボード面にはテクスチャが印刷されているが、
布のような素材感は全くない

表面印刷されていない底面の方が質感良い説

 正直デザインは人を選びます。私は好きではありません。THシリーズは家庭のリビングで使うことを想定しているので、家具と馴染むように布風のテクスチャが天板とキーボード面に印刷されています。これが正直ダサく感じます。私はこれを外に持ち出して使うことを想定しているので、家具的なデザインは自分の用途には合いません。裏面の方が質感が良いとすら思う次第です。


画面

 ディスプレイは15.6インチの16:9で解像度は1920x1080です。大型ノートとしては至極一般的なスペックです。最近の流行は16:10で16インチであることを考えると、16インチノートには画面の広さで劣ります。しかしながらモバイルノートよりは作業性が高いでしょう。私の場合、フルHDの14インチでは125%表示、15.6インチでは100%表示で使います。この場合の作業画面の広さは以下の画像のように違います。

14インチノートだと作業領域が狭すぎる

15.6インチだと100%表示で使っても平気なので、
作業領域を確保できる

 同じフルHDの解像度でも、125%表示と100%表示では作業領域が異なります。14インチノートだと100%表示は表記が小さすぎるため、100%で表示しても平気な15.6インチの方が画面の広さを活用でき、作業性が高くなります。

ディスプレイの映り込みは激しい
 富士通のノートPCは現時点でほとんどの製品でグレア液晶を採用しており、画面の反射が酷いです。一般にグレア液晶の方が画面が綺麗だという風に喧伝されますが、最大輝度にしても自分の顔が映り込むディスプレイのどこが綺麗なのか、筆者にはさっぱりわかりません。特段この製品は大型ノートとしてはモバイルに向くので、アンチグレアである方が望ましいです。


キーボード

テンキー付きで、均等な大きさのキー配列を実現

 富士通のノートPCは日本語配列の中ではかなり打ちやすいキーボードを備えています。大型ノートの中で、4列テンキーを備えながら半角/全角キーからBackSpaceキーまで全て同じ大きさのキーを備えた製品は、富士通以外は作っていません。キーピッチこそは18.4mmと一般的な19mmよりもやや小さいですが、特定のキーが小さいことより遙かにマシです。ピアノの鍵盤であれば、特定の音域の鍵盤間隔を狭くするのはあり得ないですから。パソコンのキーボードも一部のキーを小さくするのはあり得ない設計です。筆者にとってはテンキー付き大型ノートの選択肢は富士通かvaioしかないです。キーボードはPCの操作で毎回必ず触る部品ですので、タイプのしやすさは製品の命です。

 実はキーボードの打ちやすさ自体はTHシリーズよりもAHシリーズの方が上です。AHシリーズではキーピッチ自体は同じですが、キーストロークが2.5mmありキーボードの底まで叩くことは少なく疲れにくいです。THシリーズはキーストロークが1.7mmですので、勢いよく打鍵すれば、底を叩いている感じはあります。キーのタッチ自体は軽いので、軽くタッチして入力すると良いでしょう。またキーボードの配列自体もAHの方がBackSpaceとテンキーとの間がより広く取られているので、BackSpaceやEnterの操作時にテンキーを誤って触ることも少ないです。とはいえTHシリーズもAHほどではなくても優秀なキーボードですので、気にするほどではありません。比較すればAHの方が上というだけです。 

 タッチパッドに関しては、左右のクリックボタンが分かれていますが、クリックが固く設計が古いです。富士通の最近の筐体ではクリックが柔らかいものが増えてきたので、筐体が一新された新型が出てほしいところです。使いにくいのでマウスやトラックボールを別途持ち運ぶ方が良いでしょう。


端子

 端子類は豊富ではありません。Thunderbolt 4 が2基とUSB 3.2 gen 1 type Aが1基、SDカードスロットが1基、イヤホンジャックが1基だけです。LAN端子やHDMIはありません。とはいえThunderbolt 4 を2基備えているので、ドッキングステーション等を使えば拡張は可能です。また純正のACアダプタは65WでThunderbolt 4 に接続して給電する仕様となっています。モバイル重視の製品なので端子が少ないのは致し方ありませんが、同社のUHシリーズではHIMIもLAN端子も備えた上で世界最軽量を謳っているので、UHシリーズよりも端子が少ないのは少々残念です。


別売りの充電スタンド

 Lifebook THには別売りで充電スタンドが用意されています。これはあまりおススメできません。充電スタンドにはHDMI端子が備わっていますが、本体のThunderbolt 4 端子を2つとも塞いでしまうため本体の拡張性を損なってしまいます。これを買うぐらいならサードパーティのノートPC縦置きスタンドとドッキングステーションを別で用意した方が良いと思います。

Thunderbolt 4 端子を2つも塞いでしまう


性能

 CPUは第11世代intel i7 1165G7を搭載していて、メモリは16GBのオンボードです。最近では第13世代intelも登場してきており、UHシリーズでも第13世代を搭載した新製品が発表されていることから、型落ち感は否めません。第12世代intelのi5 1235Uにも性能は劣ります。今新品で買うには微妙です。ただ非ゲーミングPCに求める性能としては十分ですので、用途がはっきりしているのなら特に不満はありません。

 あとM.2スロットは1つだけですので、SSDの容量を増やしたい場合は交換することになります。メーカーのカスタムだと構成変更はぼったくり価格で、現時点では256GB→1TBへの変更が4万5000円程度です。キオクシアの1TBでも9000円前後*で買えますから、保証継続させるのに4万5000円払って1TBにするか、9000円で自己責任で交換して保証を捨てるかの選択です。いい商売してますね。最小構成なら価格はそれなり*です。


*商品情報は以下の通り。各社価格は似たようなものです。

KIOXIA PCIe gen 3.0x4 1TB 2023/02/23時点で8,980円
https://amzn.asia/d/aUw6zMa

**2023/02/23時点でセール価格で15万2800円~。軽量さも付加価値だしそもそも海外メーカーの格安機と比較してはいけない。


総評

 私自身は、日本語配列でテンキーを備えていて広い画面を最小で持ち出せるノートPCを欲していました。本製品はそれに合致する製品だったため購入に至りました。やはりモバイルノート級の重さは、リュックに入れても存在が気にならない点で魅力です。しかし今買うには筐体の古さやCPUの世代の古さが気になってしまいます。

 なお軽量な大型ノートというジャンルにおいては、ほかにLGが「gram」という魅力的な製品を出しています。こちらは16インチでより軽量かつより高解像度でより高性能です。キー配列に妥協できるのであれば、あらゆる点で「gram」の方が魅力的なので、一般には「gram」の方がオススメです。まぁ使ったことないので実際のところは分かりませんが。

LG gram 16Z90Q
https://www.lg.com/jp/computer-pc/lg-16z90q-ka76j1


法人向けLifebookの16インチノートPCが軽くて魅力的

 ただし高い  法人向けノートPCなので当然価格は個人向けより高価です。最小構成で税込みで40万円以上します。 概要  実物なんて買いようがないので、今回の記事の画像は全て 富士通の製品ページ から拝借します。ということで製品の画像をドン。  LIFEBOOK U7613/Mです...